金光藤蔭高等学校

お知らせ

【藤蔭ニュース】入学式

2018/04/04

本日、255名の新入生を迎え、入学式を行いました。
新入生の皆はやや緊張した面持ちで式に臨み、学校長、理事長の話に聞き入っていました。新入生代表の白井海斗馬さんの宣誓では、入学への決意が力強く述べられました。
和太鼓部からは、入学を祝して演奏が贈られ、華やかな雰囲気の中、式は無事に終了しました。

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
これから、本校で充実した高校生活を送ってください。

    

左:学校長式辞 右:理事長告辞

   

左:新入生代表宣誓 右:在校生代表歓迎の言葉

  

左:祝い太鼓 右:ホームルームの様子

 

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平成30年度  入学式 式辞

校長 安元祥二

 新入生の皆さん、ご入学、おめでとうございます。
桜満開、春爛漫の季節に、255名の新入生の皆さんを、お迎えしています。
 本日、学校法人・関西金光学園「関西福祉大学 金光藤蔭高等学校」
平成30年度入学式を挙行いたしましたところ、公私ご多用の折にも関わりませず、
ご臨席を賜りました皆様、
「金光教関係の皆様、理事長を始め学園関係の皆様、出身中学の校長先生、連携の専門学校のご代表様、本校同窓会・PTA・藤親会、旧職員の皆様、そして本校近隣の地域役員の皆様」、
皆様には、生徒達の入学を、心ひとつにして、盛大にお祝いいただきますこと、心より御礼を申し上げます。

 また、保護者の皆様に、高い席からではございますが、
義務教育の課程を卒業し、ここに高等学校生活のスタートを切るお子様の、今後の精進と可能性に期待し、本日のご入学を、心よりお祝い申し上げます。
 今、本校の制服に身を包んだお子様を見られ、これまで15年間のご家庭での温かい育みを思い出し、感慨も一入のことと拝察いたします。 私ども学校は、入学されたお子様の教育、学力の向上のみならず、人間としての成長、その目標に向けて、全力で取り組みたいと思います。
 ただ、お子様の成長全体を考えますと、ご本人自身の努力ももちろん、ご家庭の役割は極めて重要となります。 「望ましい生活習慣」「正しい生活リズム」と、「学習への姿勢」、そのことを、まずご家庭で力を入れていただくことが、本日ご入学のお子様の、可能性を拡げていくことに繋がります。
 また、保護者の皆様には、学校の様々な活動の良き理解者として、担任や学年担当者と様々なことを相談し合いながら、一緒に「力を合わせて」取り組んでいただきたいと思います。 どうぞ、これから、よろしくお願い申し上げます。

 さて、新入生の皆さん、本校へのご入学、誠におめでとうございます。

 本校「関西福祉大学 金光藤蔭高等学校」は大正15年(1926年)の創立で、本年度は創立92年目となる歴史を持つ学校です。 本校は、「生徒一人ひとりを大切にする学校」として、生徒の可能性を最大限に伸ばしながら、大きく進化・発展を続けています。
 校門を入るとすぐ左手に本校「建学精神」の碑があります。 建学の精神は、「天地の大徳に生かされ、多くの人々に育てられていることに感謝の念を持ち、社会でお役に立つ人間となる」ことです。

 ところで、皆さんの入学にあたって、私が皆さんに最も期待したいことは、これからの3年間の「心の成長」です。
「過去は変えられない、しかし未来は創っていける」という言葉があります。
本日から高校生としてスタートする君達に、「心を成長させ、未来を創る」ために大切な3つのことを話します。

 1つ目は「目標」です。
しっかりとした前向きな「目標」を持つことが大切です。 その目標は、自分を伸ばし、自分を社会の中で役立てる目標でなくてはなりません。 そして、その「目標」に向けて、高校に入学した今から努力を実行することができるかどうか、それがなにより重要です。そのような前向きな「目標」を、是非持ってください。

 2つ目は「学び」です。
君達はまさに成長過程の真っ只中です。 「目標」を達成するために、授業を通して学び、学校生活での様々な活動を通して学んでいただきたい。 広く・深く知識を吸収し、さらにその知識を知恵に代えることが大切です。 「学び」は身近な努力の積み重ねから始まります。 一日一日の学習の積み重ねに力を尽くしてください。

 3つ目は「感謝」です。
人は、決して、自分一人で生きているわけではありません。 私達は、天地自然や色々な人・物の支えによって生かされています。 周りの方々や社会に対して「感謝」の気持ちを大切にしていただきたい。 常に、自分の心を大きく開き、優しい心・素直な心・温かい心を忘れず、君達の世界を心豊かに広げていってください。

 以上の「目標」「学び」「感謝」が「未来を創る」ために大切な3つです。
世の中には、物事を覚えるのが早い人・遅い人、結果を出すのが早い人・遅い人、色々なタイプの人がいます。 毎日の勉強や学校生活のことで悩んだり、行き詰ったりすることがあったら、担任の先生、クラブの先生、教科の先生、色々な先生方に相談しながら、本校の学園生活で青春の3年間をしっかり歩んでください。 そのためには、まず、「規則正しい生活と学習」からスタートです。

 それでは、もう一度、「新入生の皆さん、ご入学、おめでとう!」
本校での3年間、大いに学び、大いに鍛え、大いに友情を育み、人間として大きく成長してください。 3年後には必ず、自分の将来に向けて大きく羽ばたくことができるものと、期待しています。
 以上をもちまして、入学式の式辞といたします。

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平成30年度  入学式 告辞

学校法人 関西金光学園理事長 湯川彌壽善

今日のおめでたい日に当たり、日頃思っておりますところを、お祝いの言葉に代えて申し述べたいと思います。
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「人間は神になれるか」。唐突に、突飛な質問をしてみました。「人は神様になれるだろうか」、という問いかけです。生前に何か功労のあった人が、死後に神様として祀られる、そういう事例はあるかと思いますが、この問いかけは、そういう意味で申したのではありません。

そこで、こんな話をしてみます。

ある都市部の大きな新幹線の駅、そのコンコースでの出来事です。
たくさんの人が行き交う喧騒の中で、初老の男の人が、何か叫んでいました。回りの音で、何を言っているのか、はっきりとわかりません。そばを通り過ぎる人や、すぐ近くのグループの人たちも、無反応です。
二十メートルほど離れた所にいた、家族連れの女の人が何か気づき、「ちょっと行ってくる」と言って、その男性の方へ駆け寄っていきました。少し言葉を交わして下を見ると、男性の足元には白いレジ袋があり、液体が床にこぼれていました。それをティッシュできれいに拭き取り、足元に落ちていたレジ袋も丁寧に拭って、男性に手渡しました。家族の所に戻った女性は、事情を話しました。
その男性は足が悪く、杖をついていました。買い物をしたレジ袋を、誤って落としてしまい、運悪く、袋に入っていた瓶の一つが割れて、中身が流れ出してしまいました。しかし、男性はかがんで、落とした袋を拾うことができないので、回りに助けを求めた、ということでした。
男性は「誰も拾ってくれなかった。ねえちゃんは優しいな」と言って、去っていったそうです。
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さて、百五十年ほど前のことでしょうか。「人を一人助ければ、一人の神である」と、このように言った人がありました。私たち人間にとっては、実に意味のある言葉ではないかと、私は思います。
「人、一人助ければ一人の神」。この言葉を、今申した話と重ね合わせてみますと、その意味がよくおわかり頂けるのではないでしょうか。人は人を助けることができます。人が人を助ける働きは、神様と同じ働きを現すことだという意味が、この言葉にはあります。

しかし、人が人を助ける働きを現すことは、実は簡単なことではありません。それは、今のコンコースでの話にも伺えました。男性の近くにいながらも、無反応だった人たちの耳には、「これを拾ってほしい」と助けを求める男性の声が、なぜか耳に入って来なかったようです。私たちは人間には、そういう所があるのです。
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さて、今日から皆さんはこの学園で、皆さん自身の人生を切り開いていくための、たくさんの知識や、技術や、スキルを学ばれていくことでしょう。しかし、皆さんにはそれだけでなく、同時に、「神様になれるような人の働き」も磨いてほしいと、期待します。本学では、そういう面もまた、大切にしてまいりました。本学で学ぶ意味はそこにもあると、私たちは考えて、今日皆さんを迎えました。

目には見えないものですが、皆さんの心の成長をいつも願っております。
そのことを申し上げて、今日の告辞といたします。